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『すべては音楽から生まれる』を読んで
高校3年 山本 日香里さん
私は初めて新書を読んだ。新書は言葉が固苦しくて難しいイメージがあったけれど、思った以上に読みやすかった。しかし、「すべては音楽から生まれる」という言葉は読み終わってからもずっと頭に引っかかっていた。なので何度も読み、実際私の生活ではどのような場合に当てはまるのか考えたとき、親友とのある出来事を思い出した。
彼女とはクラスが離れたのがきっかけで以前より一緒にいる時間が少なくなった。そんなとき、メール上で二人の間に行き違いがおき、結果的に私は彼女を傷つけてしまっていた。そこで私たちは直接話し合い、お互いの誤解がとけて、解決することができた。
この経験はまさに本書でいう音楽と同じだと気づいた。音楽において、繰り返し再生できるCDなどではなく「今、ここ」を感じる「ライブ演奏の重要性」は、メールではなく直接彼女と話し合うことの大切さに繋がり、音楽に耳をすませる様に、私は彼女の言葉、リズムに耳をすませ、きっと彼女も私に耳をすませた。すると二人のハーモニーやリズムが出会い、彼女の言葉の意味というよりも、その言葉のリズムや音、つまり彼女の持つ音楽が私の中に届いた。その事に私は心が震えて、感動して涙が溢れた。きっと彼女も同じだったのだろう。二人で泣きながら、二人だけの音楽に浸っていた。
筆者は、「音楽は人生の絶対的な座標軸になれる」と述べているが、彼女との経験が確かに私自身の人生において強みになった。特に、相手に「耳をすます」ことの大切さを知った。音楽は誰にでも楽しむことができる。音楽に「耳をすます」のは当然のことである。しかし、日常生活において、私は「耳をすます」ことをおろそかにしていた。以前の私は、苦手だとか性格が合わないだろう、と相手のことを勝手に自分の中だけで決めつける部分があった。親の場合でも、どうせまた注意されるだけだろうと、親の言葉に「耳をすます」ことをしていなかった。確かに人によって様々な性格や意見があるのだろうけれど、相手の言葉や心に「耳をすます」と、相手のリズムを感じることができ、目には見えない「なにか」が伝わり、うまく付き合っていく方法が必ず見つかるのだと思えるようになった。音楽を聴くときには出来ているのだから、日常生活でも「耳をすます」ことを心がけるようにしたら、家族や友達に、感謝や尊敬という気持ちが湧いてきた。親の言葉に、本当に私の事を愛してくれていて、支えてくれているのだなと思い、友達には、その人の持っている針のようなものが見えたりした。これからのたくさんの人々との出会いがとても私は楽しみだ。その中にたとえうまくいかない人がいたとしても、「耳をすます」ことの大切さを知り、「絶対的な座標軸」を持った私は、必ず相手を理解できると信じれる。音楽は「耳をすます」ことからはじまる。「すべては音楽から生まれる」とは、「すべては耳をすますことから生まれる」ということになるのだなと思い、私の最初にあった引っかかりは消えた。
最後に、ここまで「耳をすます」ことの大切さを考えてきて、私は「伝える」ことの大切さも分かった。相手に自分を理解してもらうためには、どんな言葉を使うかというのももちろん重要ではあるが、その奥にある自分の内側をちゃんと伝えなければならない。自分の内側というのは自分の今までの行き方が関わっていると思う。だから、様々なことに努力し、思いやりのある行動をし、充実した素敵な日々を歩みたい。