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『清兵衛と瓢箪』を読んで

高校1年 J・Nさん

  清兵衛は本当に幸せだったのだろうか。そして僕は周りの人に、清兵衛が受けたような苦痛を今まで一度も与えた事は、なかっただろうかと思い返した。

 小学生の頃、ある事が原因で友人と口論になり、彼の心を傷つける言葉を発してしまい二、三日話さない事があった。結局その後、仲直りでき一緒に楽しく遊べるようになったのだが、その時の事を思い出すと、なぜそんな事を言ってしまったのだろうかと心が痛む。だから、それ以来その事を反省し、相手の気持ちを考えながら、話すようにしている。

 現代の社会では、毎日の生活の中に希望や幸福を見い出せず、落胆している人が多くいる。清兵衛の立場や心理が、その人たちのものに似ているのではないか、そして本当の幸せとは一体何なのかをこの物語を通して考えさせられた。

 清兵衛は十二歳の男の子で、学校が終わると一人で町に瓢箪を見物に出かけ、夜になると、買った瓢箪の手入れに時間を費やしていた。こんなに一つの事柄に打ち込める意志の強さは尊敬に値するが、僕は清兵衛の立場に悲しみを感じるのである。彼は授業中に瓢箪を磨くのだが、周囲の無理解な大人達によって結局彼の楽しみである、瓢箪磨きは阻止されてしまった。僕は本当の幸せとは、有能であったり、裕福であることではなく、自分を理解してくれる人が身近にいることだと考える。清兵衛が授業中に瓢箪を磨いていたことは、悪い事ではあるが、それを理由に瓢箪を一つ残らず割った彼の父親の行動に対して、本当にそこまでしなければならなかったのか、という疑問が残るのだ。父親は、そんなことをしていたら立派な大人にはなれない、といった理由で叱責したのだろうが、僕には、そう感じられず、新しく熱中し始めた絵描きまでにも叱言を言い出しているのを読むと、清兵衛の為にではなく、自分の感情で怒っているように思えるのである。一番身近にいる親が、この様な人間であるので、僕は清兵衛の立場に悲しみを感じるのだ。希望や幸福をなかなか見い出せない者には、心から信頼でき、心を開くことのできる存在が必要だと思うので、もし僕が夢や希望を見失いそうになった時、自分の殻に閉じこもるのではなく、必死になって、そんな存在を見つけたい。

 そして、この物語の中には見習うべきものがあった。それは、清兵衛の前向きな姿勢だ。大好きだった瓢箪と縁を断たれた事にも、決して悲観的にならず、再び新しく熱中できるものを見つけ出した彼の心の持ちようには、感心した。

 最後に、僕は、この本にいろいろな事を教わった気がする。それは、信頼できる人の大切さや、前向きに生きる事の重要性だ。そして将来、僕が子供の親となった時、その子の事を理解した上で、その子の為に叱ってやれることのできる大人に成長していきたい。