TOP > スクールライフ > 読書感想文

『カラフル』を読んで
中学3年 R・Fさん
「せいぜい数十年の人生です。少し長めのホームステイがまたはじまるのだと気楽に考えればいい。」
この物語の主人公は、生前に罪を犯し、輪廻のサイクルから外されることになった「ぼく」。しかし天使業界の抽選に当り、自殺を図った少年、真の体にホームステイし、自分の罪を思い出さなければならないことになった。そして最終的に、「ぼく」は自分が真だったということに気がつくのだ。冒頭の文は、自分が真だったと知って、これからどのように生きていけばいいのか…と悩んでいた「ぼく」に天使が言った言葉だ。人生をホームステイという言葉に例えている。なるほど…と思った。私は今までそんな風に考えたことはなかったが、確かに、人生は少し長いホームステイだ、と思えば少し気が楽になり、悩むことがとてもちっぽけなことに思えてくる。そして「ぼく」はホームステイをしていたからこそ、自殺する前には勘違いしていたことに気づくことになる。
「角度次第ではどんな色だって見えてくる。」
自分さえよければよいと思っている利己的な父、つい最近まで不倫をしていた母、無神経な意地悪な男である兄。そんな風に思っていた真の家族のイメージがどんどん変わっていく時、「ぼく」が言った言葉だ。色というのは、その人のイメージを表しているのだが、少なくとも、自殺する前の真の家族に対するイメージは、黒、灰色など、悪いイメージだっただろう。しかし、客観的に自分を見ることができていた「ぼく」は、そんな家族の違う面を見つけるのだ。例えば兄。弟が一命をとりとめた姿に感動し、医者を目指すようになった。それだけ弟のことを心の奥では大切に思っていたということなのだろう。ほかにも、習い事を始めてはすぐにやめるという生活をしていた母のことを、母自身はそんな自分が嫌だったと言っているのだが、父は、母の明るい笑顔に励まされていたという。もちろん弟にいつも悪口を浴びせかけることも、習い事を始めてすぐにやめてしまうことも、いいことだとは思わない。思うに、物事というのは、良い、悪いの二つに切り分けられるものではないのだ。色で言えば、白、黒だけではなく、赤も青も黄色もある。きれいな色もみにくい色もある。私は今まで、そういう考え方をしたことがなかった。人のことも、一面を見ただけで、「好き」、「嫌い」と判断してしまうことが多々ある。そうならないためには、一体どうしたらよいのか。そのためには、表面的な見かけだけにとらわれるのではなく、その裏にあるいい面、悪い面を見ていくことが大切なのではないか…、私はそう思う。これからの長い人生、楽しいこともあれば、辛いこともあるだろう。もしかしたら、何のために生きているか分からなくなる時もあるのかもしれない。それでも私は、カラフルなこの世界で、色まみれになって生きていきたい…、この本を読んで、そう思った。