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「悩む力」とは
高校3年 A・Jさん
「『悩む力』とはいったい何だろう。」私がこの本を手に取った時、最初に思ったことだ。本来「悩む」という言葉はあまり良い印象を与えるものではない。私の中での「悩む」という行為は「難しいことや苦しいことについて考える。」という様なことであり、辞書で調べてみても「苦しむ・困る・病む」などマイナスイメージの言葉しか出てこなかった。だからこそ、その行為が「力」というプラスの印象を持つ言葉にくっつけられていることに違和感を感じたのだ。だが文章を読み進めていくにつれ、「悩む」という行為への印象が変わるにつれて、私が感じたこの違和感は次第に消えていった。「悩むというのは、ただ苦しいことを考えることではなく、何事にも深く思考をめぐらせることではないか。」と思い始めたのだ。実際著者は、普段私たちがあまり気にしないようなテーマについてじっくり考えている。
例えば「何のために働くのか。」これは簡単なようで意外と難しい質問である。普通に考えれば「生きていくため」であろう。人が生活をしていくためにはお金がいる。そしてそのお金を得るには働くしかないからだ。だが筆者はそれが正しいことを認めつつも、「ではお金があれば働かないか。」と疑問をなげかける。私には働いた経験など勿論ないので、はっきりとは分からないが、それでも恐らく「ノー。」と答えるだろう。それはいったいなぜか。
著者はその答えを「他者からのアテンション」としている。つまり人は社会の中で、家族ではない他者から自分の存在を認められるために働いているというのだ。確かに社会というものは見知らぬ者同士の集合体であり、その中で承認されない限り、人は生きていくことができないだろう。何かで読んだのだが人が最も恐れるのは「無」らしい。周りから「好きも嫌いもない『無』に等しい存在」と思われること、つまり無関心にとられることが一番つらいようなのだ。だからそうならないように、人は働くことによって他者から「承認のまなざし」をもらい、社会に仲間入りしようとする、と著者は言う。それはそれできっと正しい。だが私は働くことの意味は他にもう一つあると思う。
それは「自分を知ること」である。これも他の文章からの引用になるのだが「自分が何者であるかは自分が作り出してきたもの(労働)が社会でもつ意味と価値によって決まる。」と言うのだ。他者から認められることももちろん大切だ。しかし私はその前にまず自分自身がどういう人間なのかを知る必要があると思う。そしてそのためには、様々な労働を行い、知識や経験を積み重ねなければならない。自分というものは自分が過ごしてきた日々で成り立っているのであって、それ以外何者でもないと思うからだ。
このように、非常に単純で素朴な疑問でも、「悩む」ことによってその姿を大きく変える。そして自分自身もその行為によって、大きく成長するように思う。どんなテーマについてであっても、深く掘り下げようと思えばどこまでも深くなるし、全く考えたことがないよりはその経験があった方が、自分にとっていいことに違いない。「『悩む力』、すなわち『何事にも深く思考をめぐらせる力』とは、人にとっての肥やしであり、より豊かな人生を与えてくれるものである。」それが私の「悩んだ」末の答えだ。 このように、非常に単純で素朴な疑問でも、「悩む」ことによってその姿を大きく変える。そして自分自身もその行為によって、大きく成長するように思う。どんなテーマについてであっても、深く掘り下げようと思えばどこまでも深くなるし、全く考えたことがないよりはその経験があった方が、自分にとっていいことに違いない。「『悩む力』、すなわち『何事にも深く思考をめぐらせる力』とは、人にとっての肥やしであり、より豊かな人生を与えてくれるものである。」それが私の「悩んだ」末の答えだ。