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読書感想文

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エール

中学3年 M・Yさん

 私の持っていたカラフルのイメージは、ポップで楽しい!でもページをめくると輪廻や裏切り、自殺など重いテーマの内容でした。にもかかわらず楽しく読み終える事ができたのは、少しコミカルで少し切なさが残ったからでしょうか。

 「おめでとうございます。抽選に当たりました!」から「おめでとうございます。あなたは見事、再挑戦に成功しました!」までわずか四ヶ月間。その中でぼくバージョンの真を続けるうちにぼくの気持ちは「真へのほのかな親しみ」「真が気の毒になる」「真のために祈った」など次第に変化していきます。そして父親との会話の中で、真が生き返った時の事を伝えられる場面があります。
「おまえが生き返った瞬間だよ」
「あの一瞬の喜びは、それまでのすべてを清算してあまりあるものだったよ」
  父親は真の生命力、そして全てのものに感謝の気持ちでいっぱいになったと思います。私は親の愛情の深さを思い知りました。
「ぼくは無念でたまらなかった。今日の父親の話は、本物の真がきくべきだった。」
  この時、ぼくと真の距離がぐっと近づいた事を感じました。そして真を思いやるぼくの優しさが伝わってきました。
「真にあの人たちを返してやりたいんだ。」という言葉は、まさにぼくが真の心に寄り添った何よりの証拠ではないでしょうか。
 人は決して一人で生きているのではなく、生かされていると聞きました。自殺がいけないという理由はそこにあると思います。生きている理由、生かされている意味。それが何なのか今の私には答えられないけれど、いつかわかる日が来ればいいなぁと思います。

 ぼくが美術室でひろかを抱きしめる場面も印象的です。おぼろな憎しみを宿すひろかの瞳は、自分自身におびえていました。時々残酷になったり傷つけたくなったり、本当の自分がわからなくなり不安でどうしようもなかったのだと思います。真がかけた言葉、
「みんなそうだよ」
 これは、そんなひろかを認め、真を認め、同時に私にも向けられている気がしました。そして私も今、悩みや迷いの中にいます。
「この世があまりにもカラフルだから、ぼくらはいつも迷ってる」

 『カラフル』は人の心の不安定さも表しているのかもしれません。ぼくの再挑戦には、大きな意味があったと思います。ぼくが真に戻れた事はもちろんですが、いつも心配してそばで見守ってくれる家族や友達の存在があり、本当は自分は一人ぼっちではなかった事に気づいたからです。もしあのまま死んでいたら、何もわからないままでした。それと、今生きている世界はいい事も悪い事も色々な事がある極彩色の渦だけれど、ぼくは真らしく、自分らしく、カラフルに生きていけばいいという事にも気づいたからです。

 それを気づかせてくれたのはプラプラでした。ぼくのガイドがプラプラだった事はとても幸せな事であり、これからの真の人生においてもきっと大きな存在であり続けると思います。そして「しぶとく生きろ」と背中を押してくれたプラプラの、少しだけ切なそうにかげった瑠璃色の瞳を忘れはしないでしょう。

 現実には死んでしまった命に再挑戦などありえないはずです。生きることに辞退もリタイアもできない。どんな時も生き続けなければならないのです。自分が自分らしさを大切にして一生懸命生きる事が素晴らしい。『カラフル』は私たちに贈られたプラプラからのエールなのです。私は私らしく、凛と前を向いて歩いていきたいです。