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研修旅行記

「色の付いた眼鏡」

N・Tくん

  僕は今まで、韓国という国を偏見という名の色が付いた眼鏡をかけて見てきた。今でもその眼鏡はかかったままだけれども、この研修旅行でその色は消えてなくなった。

  仁川空港に到着した時のあの肌を切り裂くような寒さは、日本に帰国した今でも忘れることはできない。どこまでも青く澄むその空は日本のそれとは何ひとつ変わらないのだけれど、どこか違うものなのだと思った。本場で食べるキムチは余りにも辛くてとても食べられたものではなかった。そのようにして僕の韓国旅行は始まった。

  僕の色が付いた眼鏡に変化が顕れたのは大学生とのソウル観光の時だった。
  予定していた観光のコースを時間の都合により大幅に変えなければいけなくなり、大学生の案内でソウルタワーに向う途中のことだった。その大学生は、余り道に詳しくないようで近くにいた男の人に道を訪ねた。当然ながらその男の人は親切に道を教えてくれた。ただ当り前のことが当り前に目の前で行われたことが、僕以外の誰かならおそらく気にも留めないような日常的な一場面に,僕の心は大きく動いた。あぁ、この国の人達も日本人も同じなのだと、当り前のことを当たり前に思った。むしろ日本よりもはるかに人と人との結び付き、他人への親切心は持っているのではないだろうかと思った。そう思ったら眼鏡の色は徐々に消えていった。この国の人達は人に対して、親切な人などいないという偏った考えを持っていた自分がとても恥ずかしく思った。

  色の消えた眼鏡は、韓国という国の本当の姿を見せてくれた。そのおかげで今まで知ることの出来なかった韓国を知り、又、触れることが出来た。

  韓国へ行けて心から良かったと思う。こう思える人達が増えることによって日本と韓国との関係は良くなるに違いない。昔あったことは決して忘れてはいけないが、その鎖に縛られ続けるのはおかしいと思う。だから双方ともに、相手の国を理解し合うことが友好的な関係を築く上で必要であるのだろう。又、自分の得になることだけでなく、相手の得になることも考えられるようになればさらに良いだろう。そうすれば世界も平和になるだろうに…。