スクールライフ

TOP > スクールライフ > 研修旅行記

 スクールライフINDEX

  • クラブ紹介
  • 学校生活の思い出
  • 合格体験記
  • 研修旅行記
  • 読書感想文
  • スクールカレンダー

研修旅行記

「日本と韓国の距離」

T・Yくん

 日本と韓国の距離。世界地図の上では、2㎝ほどの長さ。しかし、実際に韓国へ行くことによって、地図では見ることのできない距離を感じた。その距離とは、教科書にも載っていない歴史だった。僕は戦争の本当の苦しさをこの研修旅行で学んだ気がした。

 三日目のDMZ(非武装地帯)ツアー。この日、僕らは第3トンネルと呼ばれる北朝鮮軍が南侵用に掘った本物のトンネルに入った。前屈みの体勢で進み続けた。初めての経験だった。日本では、このようなトンネルは、どこを探してもないだろう。韓国と北朝鮮との戦争中、ただ戦争に勝つために、真っ暗なトンネルをどれだけの汗を流して掘り続けたのか。そこで飢餓に苦しんで死んだ人はいったいどれくらいいたのだろうか。これらの疑問を解決することはできなかったが,実際にトンネルを通ることで,さまざまなことに思いをはせることができた。

 その後、西大門刑務所へ行った。刑務所独特の高くて長い壁を見て、昔の恐怖を感じることができた。中に入ると、精巧に作られたロウ人形によって様々な拷問シーンが再現されていた。思わず目を背けたくなるほどの残酷さであった。もし自分がこの牢獄に入れられて人生の半分以上をここで暮らすとなったら、どうしていただろうか。僕なら自殺の道を選ぶかもしれない。家族の身の安全と行く末を心配しながら。昔の人もそんなことを考えて、拷問に耐え続けていたのだろうか。戦争を経験した者にしかわからない苦しみを、いつか僕も理解できるのであろうか。

 そして、やはり西大門刑務所に関して理解しておかなければならないことは、この恐怖を与えていた人が自分たちの祖先である日本人だということだ。僕は、日本人がこの歴史の事実を隠蔽しようとしていたという話を聞いたことがある。その話を聞いた時,僕はあまり深く考えようとはしなかったが、実際に見ることでそれがどういうことなのかよくわかった。

 苦々しい過去を消したいという気持ちはわかるけれど、歴史を大切に残していこうと考えている韓国。それに比べて日本人のしている行為はどうであろうか。日本人も過去を受け入れて、もう二度と戦争が起こらぬよう、本当の事実を将来の子どもたちに伝えていくべきだと思う。そして、伝えられた僕たちも理解し、その過ちを繰り返さないよう努めることが、これからの日本人の役目なのではないか。

 この研修旅行で、僕の中での日本と韓国の距離は少し縮まったと思う。今度は、自分の国の歴史を知るために沖縄へ行ってみたいと思っている。