2020/03/04

ことばの贈り物 2020/03/04

本日は中学3年生が朝から私物を取りに来校している。朝の9時辺りから生徒たちがポツポツ姿を見せる。生徒に「家でどんなことしてるの?」という声を掛けながら、学校に来たいという思いが、彼らの表情からありありと感じられる。

当たり前だが、学校は生徒が来ることで成り立っている。生徒のいない学校には、虚しさが漂う。致し方ないとはいえ、そんなことを痛感させられる日々が流れる。生徒たちと少しでも触れたいという思いを、「お勧めの本」の紹介が仲立ちする。

昨日本日と、来校した中学2、3年生に司馬遼太郎の「竜馬がゆく」をご紹介した。竜馬ファンならびに司馬ファンには、定番中の定番。幕末の複雑な政治情勢の中、日本の将来の発展だけを考えて、私利私欲にとらわれず生き抜いた竜馬の姿を描き出した、司馬遼太郎の入門書。

もちろん小説として描かれている分、史実とかなり異なる点も多くあろうが、司馬遼太郎の哲学が、竜馬を通じて如何なく表現されている。爽快な青春小説として、中学2・3年生には是非とも手に取ってもらいたい。文春文庫で全8冊の長編だが、充分それだけの価値のある作品だと思う。