2021/03/18

ことばの贈り物 2021/03/18

高校卒業式の式辞を連載中であるが、本日は少し中断して、私自身の卒業式に対する考え方をお話したい。お付き合い願いたい。
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昨日の卒業式では、保護者の皆様をはじめ、PTAや同窓会の方も門出を祝って下さり、生徒たちは大変光栄な場に立ち会うことが出来たように思う。高校生の卒業式は、これで本校での学校生活最後という思いが強い。

それに対して、中高6年一貫校で、中学3年生に卒業式を実施することに賛否があるのは分かっている。実際私が校長に就任するまで、中学の卒業式は、校内で保護者に見守られることなく、ひっそり行われてきたのも事実。しかし私は、その様子を垣間見ながら、違うと判断した。

公式行事は、人が気付いたり成長したりする絶好の機会である。学びの場といった方がいいかもしれない。子どもたちの学びが中心ではあるが、保護者の皆様にとっても、義務教育を終えた段階での子育ての振り返りがあってもいい。また、我々教員もこれで良かったのか?もっと指導できることはなかったろうか?といった次に生かす学びの場である。

もちろん校長である私も、生徒や保護者、指導教員を前にして、自分のこれまでの取り組みはこれで良かったのか?修正すべき点はどこにあるのか。どこまで子どもたちや保護者の気持ちを理解できていたのだろうか。冷静に見つめ直す機会であると考える。

中学高校の6年間は、ある意味とても長い。その節目を迎え、もう一度3年後を見つめスタートする。その機会をしっかり作り出すことに意義があると考える。公式行事は、学びの場である。それはそこに参加するすべての人の学びの場であると考えているが、いかがだろうか。

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明日から、再び式辞の連載に移りたい。