2021/06/01

ことばの贈り物 2021/06/01

新たな月の始まりである。本日より衣替えの完了。9月まで夏の装いがスタンダードとなる。さて、先日生徒を送り出していると、高校の図書委員の生徒が突然「校長先生のお薦めの本を教えて下さい」と問われた。どうも何かで紹介されるらしい。
 
咄嗟にいろんな作品が、頭をよぎる。高校時代に読んでいた……横溝正史、松本清張、アガサクリスティ……。果たしてこんな推理小説に、今の子どもがどこまで面白いと感じてくれるか。そして、ご紹介したのが「モンテクリスト伯」。夢中になって読んだ記憶がよみがえる。
 
それ以外にも「自負と偏見(高慢と偏見)」や「赤と黒」といった作品は心に残っている。両作品とも「自尊感情」「階級社会」「恋愛」「男の野心」という点は共通している。違いと言えば、18世紀のイギリスと19世紀のフランスという舞台、女性目線で描かれている前者と男性目線の後者。
 
しかしながら、その最大の違いは、結末にある。「赤と黒」の心理描写を読み解くことは少し難しいかもしれないが、いつかは読んでほしい。本校の生徒なら、何人もすでに読んだ人がいることだろう。またそんな人は、是非とも話しかけてほしい。