トビタテ留学JAPAN 「知りたい!」から一歩踏み出して――タイで挑んだ3週間
私は「身近な違和感から始まった性への研究」というテーマのもと、トビタテ!留学JAPANを利用し、タイへ3週間の留学に行ってきました。
私の幼なじみはトランスジェンダーで、学校生活や日常生活の中で、性に関する悩みや生きづらさを抱えている姿を身近で見てきました。 「誰もが自分らしく生きられる社会に変えていきたい。」 そう考えるようになったことが、今回の研究のきっかけです。 以前訪れたタイで感じた、日本とは異なる性の多様性に対する社会のあり方がとても印象に残っており、「実際に現地へ行き、自分の目で見て学びたい」と思い、タイへの留学を決めました。
しかし、留学までの道のりは決して順調なものではありませんでした。 特に大きな壁となったのが、留学開始の約3週間前になっても、正式な受け入れ先が決まっていなかったことです。 受け入れ先が決まらなければ、トビタテの留学そのものが無効になってしまう可能性もありました。 私はエージェントなどを利用せず、自分自身で現地の大学や施設などに電話をかけ、受け入れについて一から交渉しました。そのため、なかなか受け入れ先が見つからず、最後まで不安な日々が続きました。 さらに、留学2日目には宿泊先のコンドミニアムのシャトルバスが目的地に到着しないというトラブルもありました。初めての一人海外ということもあり、さすがにこの時は心が折れそうになりました。 その後も、タイで特に気をつけるように言われていた水にあたり、体調を崩してしまうなど、さまざまな出来事がありました。
それでも、多くの方々とのご縁や学校の先生方のご協力のおかげで、性別適合手術で世界的にも知られているヤンヒー病院を受け入れ先として訪問することができました。 ヤンヒー病院では、性別適合手術について学ぶだけでなく、医療現場における医師と患者さんとの関わり方についても学びました。 患者さん一人ひとりの思いに寄り添いながら医療を提供する姿を実際に見ることで、性別に関する医療は、単に身体的な治療を行うだけではなく、その人が「自分らしく生きること」を支える医療でもあるのだと感じました。
また、NPO団体が開催するLGBT×宗教をテーマとしたイベントにも参加しました。 そこでは、さまざまな性のあり方や宗教的背景を持つ方々から、それぞれが経験してきた悩みや葛藤について直接お話を伺うことができました。 性の多様性について考える上で、文化や宗教、育ってきた環境によっても、一人ひとりが抱える課題や感じ方は異なることを知り、「多様性を受け入れる」ということについて、改めて深く考える機会となりました。
そして帰国前日には、国際教養部の村上先生のご紹介をきっかけに、現地の高校生との交流も行いました。 私一人のために、タイ料理を一緒に食べる時間や、タイの伝統衣装、伝統舞踊を体験する機会など、たくさんの企画を準備してくれました。 言葉や文化が違っていても、お互いを知ろうとする気持ちがあれば、人と人はつながることができるのだと実感した、とても大切な時間になりました。
今回の3週間は、私にとって初めての連続でした。 初めて一人で海外へ行き、海外で生活し、これまで両親や先生、友達に支えてもらっていたことを、自分自身で考え、行動していく毎日でした。 もちろん、辛いことや思い通りにいかないこともたくさんありました。 それでも、私はタイに行って本当によかったと思っています。 そして、トビタテに挑戦して本当によかったです。 たくさんの方々に支えていただき、多くのご縁に恵まれながら、一人の高校生が自分の「知りたい」「変えたい」という思いを行動に移すことができた3週間でした。
今回の留学で得た学びや出会いを、これからの活動につなげていきたいと思います。 そして、誰もが「好き」や「自分らしさ」を自由に表現できる社会を目指して、これからも挑戦を続けていきます。 今後の活動にも、ぜひご期待ください!




