2025.11.25

【校長通信】クロスカントリーを終えて

今年も、本校の名物行事であるクロスカントリーを実施しました。対象は中学3年生から高校2年生までの3学年。女子は23km、男子は34kmという長い道のりを、4〜5人のグループで力を合わせて走破します。希望すれば、女子でも男子と同じ34kmのコースに挑戦することができ、今年も何組かの女子グループが果敢にチャレンジしていました。

私も男子の折り返し地点まで行き、生徒たちの様子を見て回りました。ちょうど女子グループが前半を走り切って昼食をとっているところで、疲れがにじみながらも充実した表情を見せてくれました。

途中、車でコース脇を通ると、生徒たちが駆け寄りながら
「先生、乗せて〜!」
「先生だけずるい!一緒に走りましょうよ!」
と、ユーモアたっぷりに声をかけてくる場面もあり、こちらまで思わず笑顔に。その一方で、車を停めて声をかけると、
「全然余裕っす!」
と頼もしい返事をする生徒もいれば、同じグループでも
「もう足が限界です……」
と本音を漏らす生徒もいます。

クロスカントリーは、ただの持久走ではありません。同じ班の仲間と励まし合いながら、苦しさを分かち合い、支え合ってゴールを目指す行事です。しんどくなった友達の荷物を代わりに持ってあげたり、ペースの合わない仲間に合わせて歩幅を調整したりと、いたるところで助け合う姿が見られました。こうした経験そのものが、何よりの学びになります。

制限時間内にチェックポイントを通過しないと失格になるため、生徒たちは走る・歩くを上手に繰り返しながら時間を調整し、グループ全員でゴールを目指します。折り返し地点では、短い休憩のひととき、お家で作ってもらったおにぎりを頬張りながら
「お母さんのおにぎり、めっちゃ美味しい!」
としみじみ味わっている生徒も。おにぎりの所持率は今年も非常に高めでした(笑)。

後半のコースはさらに厳しくなりますが、ゴールに到着すると、朝からPTAの皆さまが準備してくださった「温かいぜんざい」が待っています。このぜんざいを楽しみに最後の力を振り絞る生徒も多く、到着すると疲れ切った表情が一気にゆるみ、ほっとした空気が広がっていました。足はボロボロでも、ゴールの瞬間に見せる達成感に満ちた笑顔は、やはり何度見ても心を打たれます。

同じ日、高校3年生は学校で一日模試に取り組みました。最後の科目が終わったあと、彼らも調理室でぜんざいをいただき、ほっと一息ついていました。中には、おもちを5つも食べる女子生徒もいて、
「夜ご飯、食べられなくなるんじゃない?」
と声をかけると、
「これから自習室でまた勉強するので、ちょうどいいです!」
とのこと。共通テストまで残り2か月弱。心も身体も整えながら、一歩ずつ前へ進んでほしいと願っています。

クロスカントリーに挑んだ中3〜高2のみなさんも、仲間といろんな話をしながら、美しい景色に触れ、それぞれに思い出深い一日になっていれば嬉しい限りです。

大きな学校行事が次々と終わり、学期の節目が近づいてきました。この先も、勉強に、クラブに、そして学校行事に、前向きに取り組みながら、日々の学校生活をさらに充実させてほしいと思います。

私自身も、皆さんの挑戦と成長をこれからも全力で応援しています。