2026.01.08

【校長通信】一歩が景色を変える――午年に踏み出す三学期

新しい年を迎え、今日から三学期が始まります。みなさん、お正月はどのように過ごしましたか?新年といえば、干支を思い出す人も多いと思います。今年は午年ですね。 

ここで、午年について、少しだけ話をしたいと思います。 

昔の日本では、「午(うま)」は「一番動く干支」だと言われていました。 

なぜかというと、馬は、人を乗せ、物を運び、戦場でも農作業でも活躍し、人の生活を前に進める存在だったからです。 

実は、「午」という字は、「交わる」「行き交う」という意味を持つとも言われています。 

人と人、場所と場所をつなぎ、動かす存在。それが、午年のイメージです。 

つまり、午年は、「考えているだけでは何も変わらない。動いた人から、次の景色が見える年」だということです。この話、皆さんの今の状況とよく似ていませんか。 

年が明けて、「今年は頑張ろう」と思った人もいれば、「何から始めればいいか分からない」と止まっている人もいると思います。でも、馬はどうするでしょうか。馬は、ゴールを全部考えてから走り出すことはありません。まず、一歩踏み出します。そして、走りながら方向を微調整していきます。今の社会も、まさに同じです。 

AIの進化などにより、世の中は想像以上のスピードで変わっています。 

正解が最初から見えていることは、ほとんどありません。だからこそ、「完璧に考えてから動く人」より、「動きながら考え直せる人」が、これからの社会で求められます。 

 三学期は短い学期です。ですが、短いからこそ、止まっていた人が動き出すには最適な時期です。今日、皆さんに一つだけお願いがあります。今年の目標を、立派な言葉にする必要はありません。その代わり、「今年、自分は何を一つ動かすのか」を決めてください。 

例えば 

・分からない問題を、そのままにしない 

・授業で一度、自分の考えを言葉にする 

・誰かに頼る、相談する 

どれも、馬で言えば「最初の一歩」です。午年は、待っていても背中を押してくれません。でも、一歩踏み出した人には、追い風が吹く年です。今日の一歩が、三学期を動かし、三学期の積み重ねが、皆さんの一年を動かします。さあ、午年のスタートです。止まらず、前へ。一歩ずつ、進んでいきましょう。 

最後に、高校3年生の皆さんに、少しだけ話をさせてください。 

この一年、皆さんは本当によく頑張ってきました。部活動を終えたあと、放課後も、休日も、自分と向き合いながら、受験勉強を続けてきたと思います。すでに進学先が決まっている人もいます。そして多くの人は、これから共通テスト、私立大学の一般入試、国公立大学の二次試験へと進んでいきます。この時期になると、「もっと何かやらなければ」「今からでも新しいことをやった方がいいのでは」そんな気持ちになることがあるかもしれません。 

でも、校長として、そして一人の大人として、はっきり言います。 

ここから一番大切なのは、増やすことではなく、整えることです。 

皆さんの中には、すでに十分な努力の蓄積があります。今から急に新しい参考書に手を出したり、勉強法を変えたりすると、力が伸びるよりも、気持ちが焦ることの方が多くなります。 

それよりも大切なのは、 

・これまでやってきたことを信じること 

・自分の弱点を冷静に振り返ること 

・そして、体調を崩さないこと 

受験は、最後は「どれだけ準備したか」ではなく、「どれだけ自分の力を出し切れたか」で決まると思っています。三学期は、皆さんにとって、人生の中でも特別な時間です。焦らなくていい。立ち止まらなくていい。これまで積み上げてきた自分を、少しだけ信じて、前へ進んでください。私たちは、皆さんを信じて最後の最後まで応援しています。