【校長通信】熱中症防止対策「カオカラ」を導入します
泉ヶ丘校では、生徒の熱中症防止対策として「カオカラ」というシステムを導入します。本来であれば、夏期休暇中など猛暑日が続く時期に導入したかったのですが、10月に入ってからの導入となりました。本校では、グラウンド手前の更衣室付近に1台、昇降ホール付近に1台、保健室に1台、合計3台を設置します。
カオカラはもともと建設現場で熱中症防止のために活用されてきたシステムですが、近年、学校現場でも導入が進んでいます。本校でもこれまで暑さ指数(WBGT)などを参考に活動の可否を判断してきました。しかし、生徒一人ひとりの体調や環境は異なるため、全員に同じ基準を適用することは困難でした。参加可能な生徒もいれば、休養が必要な生徒も存在します。そこで、一定の判断基準を持ってクラブ活動への参加可否を判断できる方法を模索してきました。
カオカラ導入の背景には、建設現場での利用実績があります。導入後のアンケートでは、「KAOKARAがあることで職長への体調申告(コミュニケーション)がしやすくなったか」という問いに対し、約7割が「そう思う」と回答しています。これを学校活動に応用することで、クラブ活動中に生徒が「しんどい」と訴えた場合の判断が容易になります。また、体調が可視化されることで、生徒自身も本当はしんどくても言い出しにくい状況から解放され、より申告しやすくなります。
試験的に、夏期休暇中に激しい運動を行った直後や、自転車通学で登校した直後の生徒にカオカラで測定したところ、生徒によって状態は異なり、「グリーン(安全)」の生徒もいれば、「イエロー(注意)」と表示される生徒もいました。同じ運動をしていても、個々の体調によって結果が異なることを示しています。実際、イエローと表示された生徒は「休まないと!」と自ら判断しました。感覚的には大丈夫と思っていても、実際には危険な状態であることがあり、このように可視化することで熱中症のリスクを未然に防げると確信しました。
今後は、教員がしんどそうにしている生徒に適切に声掛けし、状況を確認できるようになるとともに、生徒自身も自分の体調を把握し、活動参加の判断に活用できるようになります。今後も、最新技術を活用しながら、安全で充実した教育活動を進めてまいります。