「1 mol の世界」を体験!ステアリン酸の単分子膜実験
少し前ですが、化学基礎の授業で高校1年生が「ステアリン酸の単分子膜を用いたアボガドロ定数の測定」の実験に取り組みました。身近な薬品を使い、分子の大きさや物質量の概念を実感的に学ぶことができる、化学の魅力が詰まった実験です。化学における1molとは6.02×10^23(6.02×10の23乗=6020垓)個の粒子の集団を表します。身近なもので例えると、1ダース=12です。
生徒たちはまず、ステアリン酸を溶かした溶液を水面に一滴ずつ落とし、広がった膜の面積を慎重に測定しました。表面にできる単分子膜の大きさから、分子1個のおおよその大きさを見積もり、さらにアボガドロ定数の値を求めていきます。
はじめは扱いの難しい計算に戸惑う様子も見られましたが、班で協力しながら測定を進め、実験結果をもとに自ら計算して導いた数値が、実際の値に近づいていくと、驚きと達成感の表情が生まれていました。
今回の実験を通して、生徒たちは「分子は想像できないほど小さいけれど、確かに存在している」という化学の根本を、体験的に学ぶことができました。今後の学習でも、この経験を土台にして物質の世界への理解を深めていってほしいと思います。





