ことばの贈り物
─ 校長通信 ─

2020/07/07

本日は梅雨空の、ちょっといい話をお届けしたい。
 
数日前のこと。下校時に急に雨が降ってきて、バスに乗り込むまでの間。雨足は次第に激しくなるばかり。屋根のないところでバスを待っていた高校1年生の男子生徒。傘のないまま、どうすることも出来ず、少年はすっかり雨に濡れそぼっていた。
 
その時、ちょうどその後ろに並んでいた上級生の男子生徒。「ボクは友達の傘があるから、これ、使い。」と言って、少年に自分の傘をそっと差し出す。上級生の優しさに、少年はただただ立ち尽くすばかり。雨に濡れることだけは防げた。
 
その後、少年は後ろの上級生が気になるものの、彼の方は全く意に関せずという調子で、友達との話に夢中。やがてバスが来て共に乗車。最寄りのバス停に着いて先に降りる先輩。少年が照れ臭そうに小声で「ありがとうございます。」とペコリとお辞儀して傘を返す。何気ない二人のやり取りに、もどかしい時間が流れる。
 
後日この少年は、ある先生にこの話をした。ただ、上級生が誰だったのか、はっきりとは思い出せない。けれど、泉ヶ丘の先輩はとても優しい。そんな感想を述べたそうな。黒く透き通った少年の瞳が印象的だったとのこと。
 
梅雨空が続く中、爽やかなちょっといい話を本日はお届けした。

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