2021/02/13

ことばの贈り物 2021/02/13

本日開催された新小6生と保護者対象の「学校見学会」。ご挨拶に代えて、皆さんからのご質問にお応えする形でお話した。生徒の「分からない箇所に対するフォローはいかがでしょうか?」というご質問は結構多い。私なりの見解をお話する(実況中継風に)

まず、本校では生徒に対して理解不足の部分のフォローや試験前の質問受けといったことを授業中や休み時間、あるいは放課後に行います。しかし、皆さんが今とりくんでおられる塾での学習と、中学校高校6年間の学習とでは大きな違いがあることをご理解ください。

学校はある意味、子どもたちの生活の場でもあります。子どもたちはここで暮らしているといっても過言ではないでしょう。したがいまして、長期展望に立って子どもの成長を見守ること、指導者との信頼関係の構築といったことが、まず大前提となります。

子どもたちとの共同生活ですから、指導者もその生徒に合わせた支援を心がけます。その中で学力向上は、本校においてもとても大切な項目であることに変わりはありません。しかしながら、6年後の大学入試に向けて、それだけの生活というわけにも参りません。

どんな進路目標を見据えているのか。子どもたちがいつそこに気付き、いつ子どもたちが目覚めるのか。次のステージに一歩ずつ子どもたちを誘っていかなければなりません。学校教育現場では、子供の成長に合わせて、待たなければならない部分があります。

毎日毎日子どもをテスト漬けにして、中学1年生から放課後に居残りが恒常化している状況を想像してみて下さい。子どもは、途中で学校に来るのがイヤになります。塾で今やっておられることをそのまま学校にお求めになるなら、泉ヶ丘は少し違うかもしれません。

子どもの成長を願う気持ちは、保護者の皆様も私たちも同じかと思います。しかし、学校は楽しくなければなりません。もちろんレジャーランドではいけませんが、仲間や先輩、指導者との交流を通じて、自ら学び、どんどん前向きに成長していく環境づくり。泉ヶ丘ではそれを第一義に考えております。

もちろん本校は「進学指導特色校」として、大学受験にはこだわって参ります。ただ、生徒の成長段階を充分見極めながら、指導していくこと。最終的に「社会に出て有用な人材の育成」に向けて、学校生活はどうあるべきか。少し長い目で生徒と向き合うことがとても重要だと考えます。

お子様の精神的自立、経済的自立と安定を願う保護者のお気持ちは我々も同じです。しかし、それに対する確たる正解が無いところに、人生の難しさと面白さがあるように思います。共に悩み、共に苦しみ、ともに喜び合える6年間でありたい。

私たちは、学校教育を「社会に出るための訓練の場である」と位置付けて、ひとつひとつの課題と向き合います。大学の進路保証もその中の大切な要素ではありますが、それが全てではないという点をご理解願えれば幸いです。

以上のようなお話をした。