2023/06/01

芸術鑑賞会が開催されました 4

昨日の続きをお届けしたい。お付き合い願いたい。

「自分らしさ」を追求する中、世界チャンピオンのパフォーマンスに、石垣氏は衝撃を受ける。そのチャンピオンは、片脚のダンサー。身体が不自由だということを前提に、逆立ちでのパフォーマンスに無類の実力を発揮。他の追随を許さない存在となる。

会場の私たちにも、実際に彼の演技映像を見せて下さった。初めは平凡なダンスであった。演技の途中で義足を外した瞬間、会場全体が「あっ」といった驚きの声に包まれる。そこからの片脚だけの表現に固唾をのむ、「自分らしさ」の意味を会得できたように思った。

そこから石垣氏の生き方が変わる。自分自身に「無い」ことを追求することをやめよう。自分自身の内面に既に備わっている「ある」を見つけて、それを活かそう。それこそが自分らしさである。そんな考え方に代わった。司法試験もその考え方で突破したと話して下さった。

受験勉強の合間に参加した本校の高校3年生。その多くが、参考書を片手に会場に座っていた。彼らの受験に向けた切迫した思いがこちらにも伝わる。でも、石垣氏の苦悩と前向きな考え方が、受験生の心に染み入ったのではないか。終演時、全ての生徒の参考書は閉じられていた。

本日はここまで。明日最終回をお届けしたい。