2023/07/17

「森の学校」を観ました

連休2日目である。先日、久しぶりに映画を観た。今から20年以上前に製作された「森の学校」。タイトルが示すように、大自然が学びの舞台であり、そこで子どもたちが少しずつ成長する。子どもの成長とそれを見守る大人たちの姿が、テーマであった。

本作は、文部科学省特別選定作品にも指定されており、以前から興味があった。時代は昭和10年。舞台は自然豊かな丹波篠山。大自然の中、小学5年生たちが、遊びを通じて様々なことを学ぶ。その姿が、活き活きと描かれた作品だった。

現代社会とは、時代も空間も異なるが、学びとは何か?を考えさせられた。遊びに夢中になっている小学5年生。主人公は、身体が弱く、すぐに寝込む。だけど、健康を取り戻すと、元気いっぱいに森を駆け巡り、仲間と一緒に遊ぶ・遊ぶ・遊ぶ。喧嘩もする、助け合うこともする。豊かな自然の中で、遊びを通じて生きることを学んでいく。

現代社会との比較の中で、特に異なるなと感じたことは、畏怖といえばいいのか、畏れや敬いと言えばいいのか。社会全体に畏敬の念が、この時代にはまだ残っていた。「コワイ」という感覚と存在が、明確に意識された時代だったように思った。

不便さや不自由さの中で、自分らしさは失うまいといった活力、生命力。それを自然の中から獲得する。至れり尽くせりの現代社会とはそこが異なる。そんな現代社会への問題提起があったように受け止めた。

以下、映画を観ながらメモした、心に残るセリフをお届けしたい。(私は昔から暗闇の中、メモ用紙にセリフを走り書きする習慣がある。)


自分より強い相手と喧嘩して勝つのが本当の喧嘩や。(父の息子へのセリフ)

子どもには、誰にでも必ずひとつええところがある。それを認めてやることや。(夫の妻へのセリフ)

懸命に生きて、死んでいった人には、ご苦労様、ありがとうって言うたら、ええんや。謝らんでええんやで。(祖母が死んだときに、悲しんでいる息子に対して母が発したセリフ)
 

以上。