2024/01/06

金魚掬い

本日より「言葉の贈り物」を再開したい。皆さんは、年末年始をいかがお過ごしだったろうか。遠く離れて暮らすご両親やご親戚に会いに行かれた方もおられよう。あるいは、昨年のお悔やみ事で、喪に服された方もおられるやもしれない。いずれにせよこの時期、家族が最も意識されることは、間違いあるまい。

私の場合、既に両親は他界して久しい。専ら孫たちに振り回される年末年始。半年足らずの再会だが、その成長は著しい。4歳児は、好奇心の塊。あらゆるものを吸収する。屋台の金魚掬いを嬉々として興じている姿に、何となく幸せを感じている自分がいた。

金魚掬いの破れた紙を悔しそうにじっと見つめ、それでも、制止されるまでは必死に掬い続けようとする意地らしさ。本校の生徒たちも、それぞれの家族にあって、その存在そのものが、周囲の人たちを温かくしているに違いない。年齢に関係なく、好奇心を持って、白けず、前を向いて生きる。その姿はいつも美しい。今年も精一杯の一年でありたい。正月早々、4歳児から改めて諭された次第である。